吉野家HDは飲食店のシェアサービスなどを通じて開業を支援している(都内の飲食店)

吉野家ホールディングス(HD)は3日、飲食店の事業承継を支援するサービス「アトツギレストラン」を始めたと発表した。後継者がいない飲食店の経営者と開業希望者をマッチングし、円滑な事業承継を後押しする。吉野家HDは2020年から開業希望者が間借りできる飲食店の紹介サービスを展開しているが、事業承継分野にサービス領域を広げて収益源を多様化する。

3日から始めたアトツギレストランは、店舗の屋号やメニューを存続させたい飲食店オーナーと飲食店の開業希望者が登録し両者をマッチングする仕組みだ。開業希望者は専用サイトから飲食店を検索し、希望に合致した店舗のオーナーから経営ノウハウや料理方法などを教えてもらいながら店舗運営を始める。

初期費用は不要で、店舗ごとに設定された月額料金を支払う。ランチやディナーなど時間帯を限定して事業を担うこともできる。

マッチング後はオーナーが最低6カ月間、開業希望者の働きぶりを踏まえて事業を引き継いでもらうかを判断する。希望者が後継ぎに適さないとオーナーらが判断した場合には7カ月目以降に継承を拒否できる。

吉野家HDによると、飲食店の開業を巡っては希望者が多い一方、資金不足などの理由で断念するケースも多いという。同社は今回のサービスを通じて「事業承継の希望者と飲食店双方の環境改善を支援し、新しい開業モデルを創出したい」と話す。

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