解体見通しとなった百貨店「藤丸」の既存施設(4日、北海道帯広市)

北海道帯広市で閉店した百貨店「藤丸」の屋号を引き継ぎ、再開を目指す藤丸(同市)は4日、2025年夏にも仮設の店舗で営業を始めると発表した。十勝や道東エリアの食材を扱い、飲食や物販を提供する予定。催事も不定期で開き、にぎわいづくりにつなげる。

地元の帯広信用金庫が所有する土地を借り、市中心部に「藤丸パーク」(仮)を開設する構想だ。店舗はトレーラーハウス型などを想定している。

藤丸は4日、旧藤丸の店舗を25年夏ごろから解体し、30年をめどに複合商業施設を新築する方針も明らかにした。従来は既存建物を改修し、早ければ25年秋の再オープンを目指していた。改装費用を約30億円と見積もっていたが、建築費の上昇で1.5倍以上に膨らんだという。

藤丸の村松一樹社長は「建物の耐用年数や、新たな施設(がもつ機能)の自由度など総合的に考えた」と説明した。新たな建物は地下1階から地上2階までを食や衣類・雑貨、コミュニティースペースとする。3階以上については今後詰める。資金調達のめどは「建物の計画にもよる。今後検討する」などと述べた。

藤丸再開を巡っては、23年1月の閉店以降、既存施設を改修して再開する案と、解体・新築で出直す案で揺れ動いてきた。市内中心部は大型商業施設の閉鎖が相次ぎ、空洞化が課題となっている。

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