政府は6日、イタリア政府と液化天然ガス(LNG)に関する包括的な協力を盛り込んだ覚書を近く結ぶと発表した。災害などの緊急時に日本企業が優先的に購入できる枠組みを想定。イランとイスラエルの対立激化など中東情勢の緊迫化に伴うLNGの世界的な供給途絶リスクを意識し、エネルギー安全保障の観点から調達先を広げる。広島市で同日開いた国際会議「LNG産消会議」では生産国と消費国の対話の重要性を確認した。
日本がLNGの調達に支障を来す恐れがある場合、日本企業がエネルギー・金属鉱物資源機構を通じ、イタリアの資源開発大手ENIから購入する。価格や量などの詳細は今後詰める。イタリア政府が出資するENIは中部電力にLNGを供給したことがある。
関係者によると、ENIはこの仕組みを提供する代わりに、アフリカ南部モザンビークのLNG開発事業で日本企業からの支援を得たい考え。
LNG調達を巡っては、生産シェアが高いロシアが2022年にウクライナに侵攻した後、各国の対ロシア禁輸措置により争奪戦の様相を呈し、価格が高騰した。(共同)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。