▼量子暗号通信 次世代の暗号通信技術。解読に使う「鍵」の情報を量子の一種である光子(光の粒)に載せて光ファイバーで送る。第三者が不正に読み取ろうとすると光子の状態が変わるため、盗み見を把握して情報漏洩を防ぐことができる。理論上、破ることが不可能な暗号技術とされる。

現在主流の暗号は数学の素因数分解を応用した仕組みだ。情報処理の性能が高い量子コンピューターが登場すると、短時間で解読されてしまう懸念がある。世界では軍事や金融、医療といった機密情報を送信する際に量子暗号を活用しようとする動きが広がる。

量子力学を用いた量子暗号や量子コンピューターといった次世代技術は、国の産業競争力を左右する可能性を秘める。米国や中国、欧州連合(EU)などは官民一体の研究開発を進めている。日本政府も2024年4月に量子技術を活用した産業発展の推進方針をまとめた。

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