センサーで取得した温湿度などのデータを伝送する無線通信端末

ソニーグループ傘下の通信会社ソニーネットワークコミュニケーションズは8日、無線通信を使った農作物の遠隔監視を見学できる施設を北海道に開いたと発表した。センサーで取得した温湿度や日射量、土壌の水分量などを分析し、効率的に作物を育てられる。農家などにスマート農業を広げる。

ソニーネットは長距離安定通信や低消費電力などが売りの無線通信規格「ELTRES(エルトレス)」を展開している。データを無線通信で伝送し、アプリで確認する仕組みで、農業向けでは個人農家や農業組合など全国約30カ所で使われている。

北海道北広島市に同日、「エルトレス アグリテックフィールド」を開業した。施設の見学は無料で、農業用ドローンの操縦などを体験するには料金がかかる。開業から1年間で農家など2000人の来場を目指す。

高齢化で国内の農家は減り、人手不足が続いている。肥料や燃料の価格高騰で生産コストも上昇し、農作業の効率化が急務になっている。ソニーネットはスマート農業を広げることでこうした課題に対応する。

エルトレスは、ソニーGの半導体会社ソニーセミコンダクタソリューションズが開発した。農業以外にも物流やインフラの監視などで使われている。

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