JR東日本の喜勢陽一社長は8日の定例記者会見で、同社管内で相次ぐ鉄道トラブルを巡り「鉄道のプロフェッショナルとして過信があったかもしれない」と話した。車両の組み立て作業での不正行為や新幹線の運行障害を念頭に「当社グループが提供するサービス全体の品質管理の問題と捉え、今後の業務にしっかり生かす」と述べた。
JR東の鉄道事業を巡っては9月、東北新幹線「はやぶさ」と「こまち」の連結部分が走行中に外れるトラブルが発生した。同月には車両部品の組み立て工程で検査データの改ざんが過去にあったことも判明した。新幹線が停車駅を通り過ぎるオーバーランや架線設備の破損による停電事故など、24年に入り運行トラブルが頻発している。
喜勢氏は「こうした状況を許していたことはマネジメントに当たる立場として大きな反省課題だ」と言及。そのうえで「グループ全体に対する厳しい教訓とし、一連の事象で多くのお客様に迷惑や心配をかけたことを深くおわび申し上げる」と陳謝した。
鉄道事業に関わるグループ・協力会社の社長を集め、再発防止に向けた指導を徹底するための緊急会合を近日中に開く。ホテルや不動産などグループ全体の社長が出席する会合も10月中に開き、問題意識を共有する。喜勢氏は「各現場の職場にも繰り返し訪問するなど、トップマネジメントの問題として対応していく」と述べた。
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