LIXIL住宅研究所が工務店向けに提供する規格住宅の第1弾商品(イメージ)

LIXILは8日、子会社を通じて工務店への支援サービスを始めると発表した。家の図面やウェブコンテンツなどの接客ツールをパッケージで売る。LIXILは住宅のフランチャイズチェーン(FC)展開をしているがそれとは異なり、工務店は自社のブランドを維持して商品競争力や営業力を底上げできるのが特徴だ。LIXILは人手不足が深刻な工務店を囲い込みシェア拡大を狙う。

LIXILグループで住宅FCを展開するLIXIL住宅研究所(東京・品川)が、図面などをパッケージ化した規格住宅を工務店に提供する「YUIE PROJECT(ユイエプロジェクト)」の展開を始める。

サービスの提供を受けたい工務店は、同プロジェクトに加入する必要がある。加入1年目は初期費用として税別134万円がかかる。2年目以降は運用コストとして税別24万円がかかってくる。これらの費用を払えばLIXILが提供するサービスが受けられる仕組みだ。

第1弾となるパッケージ商品は18日から提供する。世帯人数の少ない単身者や夫婦などに照準を合わせたプランは2種類を用意した。それぞれで3つの内外観のデザインを選べる。LIXILの資材を使った住宅を図面で提供する。資材調達は各工務店が担う。

LIXILは建物本体価格と付帯工事費用を合わせて延べ床面積が約28坪の戸建て2階建てで税別2050万円程度からと概算しているが、実際の販売価格はLIXILからサービス提供を受けて施工する工務店によって異なる。

プロジェクトに加入するのはLIXILの流通店との取引実績のある工務店に限定する。LIXILによると他社へのFC加入と比較して5分の1の費用で済むという。2028年度末までに工務店200店の加入数を目標とする。

新築着工戸数減や働き手不足により工務店の契約戸数も減少している。従来、取りこぼしていた層に向けた商品ラインアップをLIXILからのサービス提供によって増やすことで工務店側の競争力も高められる。

LIXIL住宅研究所の加嶋伸彦社長は「ユイエプロジェクトの新規加入を契機に当社が持つ既存のFCブランドへの関心も工務店側に持ってもらいたい」と語った。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。