ファミマの細見研介社長は注力するPB商品のパーカーを着用して決算説明会に登壇した(9日、東京都港区)

ファミリーマートが9日発表した2024年3〜8月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比98%増の654億円だった。中国事業の再編に伴う特別利益が押し上げた。衣料品やパンなどのプライベートブランド(PB)商品の販売が好調で、コンビニエンスストア事業も堅調に推移した。

特別利益の影響を除くと、純利益は2%増の338億円だった。ファミマは3月、中国事業で提携する台湾系食品大手の頂新グループと合弁事業を見直すことで合意しており、株式の譲渡などで特別利益として316億円を計上した。

売上高にあたる営業収益は1%減の2575億円、本業のもうけを示す事業利益は微増の517億円だった。コンビニ事業は不採算店の閉店などで収入は減ったものの、既存店の売上高は好調に推移した。

24年3〜8月の1店舗あたりの売上高(全店平均日商)は57万3000円と、前年同期から1万1000円上昇し、同期間で過去最高を更新した。レジ横で販売する「クリスピーチキン」や、生クリームを練り込んで焼き上げた「生しっとりパン」などのPB販売が好調だった。商品数を拡充している衣料品の売上高も伸びた。

本部に一定の比率を支払う経営指導料(チャージ)などを引いた加盟店利益は前年同期比2%伸びた。人件費は上昇したが、生成AI(人工知能)を店舗向け端末に導入するなどの施策で、生産性を高めた。

リテールメディア(小売り広告)事業の好調さも利益の押し上げ要因となった。約1万店に設置しているデジタルサイネージ(電子看板)は、コンビニで販売する商品のメーカーのほか、IT(情報技術)企業や地域の中小企業などからの広告出稿が増えた。

ファミマの細見研介社長は9日の決算説明会で「コンビニに限らずほかの業界でも、ファミマが力を入れているリテールメディアの認知度が高まっている」と述べた。

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