USスチール買収に向けて米合弁株を売却し競争法上の懸念を払拭する

日本製鉄は11日、米鋼板製造のAM/NSカルバート(アラバマ州)の保有持ち分を合弁相手である欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルに1ドルで譲渡すると発表した。カルバートは、日鉄が買収を目指す米鉄鋼大手USスチールと競合に当たる。USスチールの買収に向けて米国の競争法上の懸念を払拭するため譲渡を決めた。持ち分譲渡に伴い、2300億円の損失が発生する見込み。

11日にミタルと譲渡契約を結んだ。USスチール買収後、速やかに譲渡する。USスチールの買収計画が頓挫する場合は譲渡契約は実行されない。2300億円の再編損失のうち、1000億円はキャッシュアウトを伴う損失だという。一株あたり160円としている2025年3月期の配当予想は維持する。

カルバートは米国で自動車業界向けの鋼材加工を手掛ける。日鉄とミタルは14年に独鉄鋼大手ティッセン・クルップからカルバートを買収。同社の株式を子会社を通じて50%ずつ保有している。

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