良品計画が展開する「無印良品」の銀座の店舗(東京都中央区)

良品計画は11日、清水智副社長(50)が11月23日付で社長に昇格する人事を発表した。堂前宣夫社長(55)は代表権のない会長に就く。清水新社長のもとで海外を中心にさらなる成長を目指す。金井政明会長(66)は顧問に退く。

清水副社長は中国など東アジア事業を長く担当し、同社の海外展開を進めてきた。足元では営業収益のうち4割超を海外事業が占める。今後は不採算店舗の閉店を進める欧州の立て直しや景気が減速する中国での再成長が課題になる。

良品計画の社長に就任する清水智副社長

堂前社長はファーストリテイリング出身で、一時は柳井正会長兼社長の後継候補にも目されていた。2019年に良品計画に入社し、21年から社長に就いた。「第二創業」として地方や地域密着型店舗の出店などを推し進め、コロナ禍からの業績回復を果たした。

良品計画が同日発表した25年8月期の連結純利益は前期比9%減の380億円になる見通しだ。想定為替レートを前期に比べ円高方向に見直したことで、海外収益の円換算額が押し下げられる。前期に旧本社の売却益を計上した反動も出る。

消費が低迷する中国では店舗のスクラップ・アンド・ビルドも進める。売上高にあたる営業収益は前期比11%増の7340億円、営業利益は前期比2%減の550億円を見込む。

24年8月期の純利益は前の期比88%増の415億円で過去最高だった。営業収益は14%増の6616億円だった。国内の「無印良品」でスキンケア用品などの生活雑貨が好調だった。

清水 智氏(しみず・さとし)1996年(平成8年)日大農獣医学部(現生物資源科学部)卒、良品計画入社。2015年取締役販売部長。22年副社長。東京都出身。50歳。

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