サムティホールディングスはマンションなどの開発から物件保有による賃料収入の拡大を図っている(大阪市内の看板)

シンガポールや中国を拠点とする投資ファンド、ヒルハウス・インベスト・マネジメントは11日、東証プライム上場の不動産開発会社サムティホールディングス(HD)を約1100億円で買収すると発表した。TOB(株式公開買い付け)を実施して非公開化する。サムティHD側はTOBについて賛同している。ヒルハウスは買収を通じて日本での不動産事業を拡大する。

ヒルハウスは今回の買収に向けて立ち上げた特別目的会社(SPC)を通じてTOBを実施し、サムティHDの発行済み株式の6割超を取得する。TOB価格は1株当たり3300円。買い付け期間は10月15日から11月26日までとしている。

買い付け予定株数の下限は全体の29.48%にあたる1512万7400株に設定した。下限に達しなかった場合はTOBは不成立となる。

サムティHDは都市部などでマンションやホテルなどの不動産開発を手がける。近年は安定的な収入が見込める賃貸マンションなどの長期運営に力を入れている。2024年12月期の連結業績見通しは売上高が2300億円、純利益は120億円。

一方、ヒルハウスは05年にシンガポールで設立した。東南アジアや中国などで投資を拡大し、物流不動産大手GLPなども傘下に収めている。日本では24年に飲食店の業務効率化を支援するダイニー(東京・港)に出資している。

現在37%超のサムティHD株を保有する筆頭株主の大和証券グループ本社などはヒルハウスの買収後もサムティHDの経営に関与する

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