富士通は16日、偽情報対策システムの開発で国立情報学研究所やNECなど8者と協業すると発表した。同研究所は偽の画像や音声を見破る技術で知見があるほか、NECは画像・映像の内容を文章として抽出する技術を持つ。SNS投稿の真偽判定などでの利用を想定し、2025年度末までの構築を目指す。
慶應義塾大学SFC研究所、東京科学大学、東京大学、会津大学、名古屋工業大学、大阪大学も参加する。災害時の情報のファクトチェックや記事作成などの用途で公的機関や企業に試用してもらいながら、研究開発を進める。
開発するシステムは、偽情報と疑われる情報を検知するだけでなく、情報の真偽判定をする上で根拠となるデータをインターネットから収集し、体系化する。データを基に情報の整合性や矛盾を分析し、利用者に根拠を説明できるようにする。
偽情報の検知から根拠収集、分析、評価までを統合的に行う点で世界初の技術という。富士通データ&セキュリティ研究所の山本大リサーチディレクターは「オールジャパンで偽情報対策という大きな課題に向かっていくことに、今回の価値がある」と述べた。
政府が創設した「経済安全保障重要技術育成プログラム(Kプログラム)」にもとづいて新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「偽情報分析にかかる技術の開発」の委託先に、富士通が7月に選ばれていた。富士通が国立情報学研究所など8者を再委託先に選んだ。
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