星野リゾート(長野県軽井沢町、星野佳路代表)は17日、2028年に米東部ニューヨーク州で温泉旅館を開業すると発表した。同社によると、日本のホテル会社による米国での温泉旅館の開業は初の取り組みだという。
日本のホテル業界は1980年代に北米進出に挑戦したが、後に撤退が相次ぎ「必ずしも成功とは言えない結果に終わった」(星野リゾート)という。現地では日本文化を反映したコンセプトが期待される。それこそが最大の教訓だといい、同社は「米国初の本格的な温泉旅館」としてチャレンジすることを決めた。
開業するのは、ニューヨーク市の中心街、マンハッタンから車で約3時間半の距離にある温泉地シャロンスプリングス。古くは先住民が湯治で鉱泉を利用した地ともいわれ、19世紀半ばにはリゾート地として開発された。しかし、20世紀に入って飛行機による旅行が盛んになると観光地として衰退し、活気を失っていったという。
同社は「長い時間をかけて準備を進めてきた。地元の協力とサポートを得ながら地域の活性化に貢献していくことは、星野リゾートらしい北米事業のスタートだ」と意気込んでいる。【佐久間一輝】
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