総務省は17日、NTT法の見直しを議論する有識者会議で報告書案をとりまとめた。NTTに課している固定電話の全国一律サービスについて、携帯電話の通信網を使った無線の固定電話サービスも「ユニバーサルサービスに位置付けることが適当」と示した。
NTT法は固定電話を全国一律で提供するようNTTに義務付けている。メタル回線(銅回線)を使った固定電話の維持は、設備の老朽化に伴う費用負担の重さが課題だ。携帯電話の通信網の活用でサービス提供の効率化が進めば国民の負担減が期待できる。
ユニバーサルサービスが見直されれば、複数の通信事業者が連携して固定電話サービスを提供することになる。報告書案ではNTTに対する全国提供の責務について、他の事業者がいない地域に限って義務が生じる「最終保障提供義務」に緩和する方針を盛り込んだ。
一方、利用者の利益を守るため、銅回線の固定電話の利用者が残る地域では、サービスを提供する地域の縮小を制限する規律もNTTに課すべきだとした。
NTT法の見直しを巡って、総務省で1月からユニバーサルサービス、公正競争、経済安全保障の3分野で作業部会を開き議論を進めてきた。今後、通信政策特別委員会への報告を経てとりまとめる。
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