オルビスはドラッグストア向けのスキンケアシリーズを発売した。1000円前後の低価格帯で、ドラッグストアに販路を広げて新たな顧客を獲得する。オルビスは従来、自社電子商取引(EC)サイトや自社店舗を中心に販売していた。消費者との接点を増やし、ブランド名や品質の高さを知ってもらうことで既存商品の販売増にもつなげる。
スキンケアシリーズ「ORBIS SHOT PLUS(オルビス ショットプラス)」を9月に発売した。マツモトキヨシグループとココカラファイングループの一部2500店舗以上に加え、アマゾンでも販売する。販路は順次拡大するという。自社の販路以外だけで販売するスキンケア商品は初めて。
シリーズ商品は3種類で、洗顔料が990円、化粧水と乳液は1210円。化粧水と乳液は詰め替え用も販売する。乾燥やハリの低下などに対応するエイジングケアとして発売した。
調査会社インテージ(東京・千代田)の調査を元にオルビスが分析したデータでは、日本人の化粧品購入チャネルの9割がドラッグストア・ECだった。そのうちの8割が1000円前後の商品を買っているという。
オルビスは商品単体で1980円からの「オルビスユー」や1320円からの「クリアフル」などのスキンケアシリーズを自社ECなどで販売している。より低価格帯の商品をドラッグストアで販売することで「オルビスの良さを知ってもらい、ライフステージの変化などがあれば、高価格帯の販売にもつなげたい」(西野英美取締役)。
商品にはグループ会社のポーラ化成工業の技術を使った。成分を毛穴の1000分の1のサイズにしており、角層の深くまで届くとしている。
販売目標は明らかにしていないが、9月の発売後、ドラッグストアでの販売数は計画比2倍という。
商品のデザインや広告はドラッグストアのコスメに寄せず、百貨店で販売するような洗練された見た目にした。主なターゲットは30〜40歳代の女性で、化粧品への投資優先度は低いものの、ドラッグストアの安価な商品を使うことは恥ずかしいと思っている人などに「自信を持ってつけてもらいたい」(オルビス)としている。
今後はドラッグストアやアマゾン以外での大手ECでの展開を計画する。商品の種類も顧客の反応を確認しながら増やすことを検討するという。
(行方友芽)
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