米ワシントン州シアトルの集会に参加したボーイング社の労働者ら=15日(ロイター=共同)

 米航空機大手ボーイングは19日、ストライキを実施中の労働組合に対し4年間で35%の賃上げを含む新たな労働協約案を提示した。労組側は23日に組合員の投票にかける方針。可決されれば9月から1カ月以上にわたるストライキは終了する。

 新たな協約案では、35%の賃上げのほか、7000ドル(約104万円)の一時金の支払いなども盛り込んだ。労使交渉が行き詰まる中、米政府が仲介に乗り出し着地点を模索していた。同社は機体の品質問題などで財務状況が悪化しており、ストの解決は重い課題だった。

 ボーイングの労組は9月12日、執行部が会社側と暫定合意した25%の賃上げを軸とする労働協約を否決し、翌13日からストに突入した。暫定合意が当初目指していた40%の賃上げから後退したためで、西部ワシントン州シアトル郊外の工場などが操業を停止し小型機「737MAX」といった機体の製造に影響が出ている。

 民間機の機体の一部は三菱重工業なども担っており、長期化すれば日本の航空産業への影響も懸念されている。(共同)

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