プライベートブランドの増量・値下げ戦略を発表したイオントップバリュの土谷美津子社長(右)と森常之副社長=千葉県浦安市で2024年10月22日、加藤結花撮影

 イオンは22日、物価高による消費者の節約志向の高まりを受け、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の商品約100品目を数量限定で増量すると発表した。価格は据え置く「実質値下げ」で、イオングループの全国約1万4000店舗で、10月末までに順次発売する。11月中旬からは一部PB商品の値下げも実施する。

 千葉県浦安市で開かれた記者会見で、イオントップバリュの土谷美津子社長は「お客さんが価格に対して非常に敏感に反応している。特に今年に入ってからは(価格を理由に)商品の前で買うか買わないか迷っているお客さんが増えてきた」と述べ、買い求めやすい商品の提供が顧客のニーズに合致すると強調した。

 イオントップバリュは、今回の対応に先だち2024年度に値下げや増量をした商品の売り上げ動向も公表した。それによると、13円値下げしたペットボトル緑茶が実施前と比べて2・2倍、20円値下げした冷凍たこ焼きが1・4倍、10グラム増量したナッツが5・2倍、それぞれ販売数量を伸ばした。

 今回は、5個入りのあんぱんを1個増やし、500グラムのお好み焼き粉・たこ焼き粉を50グラム増やすなどする計画。秋以降は同社PBの中で価格帯が最も低い「トップバリュベストプライス」で約500品目の新商品やリニューアル発売も予定しているという。

 24日からはイオングループ約300店舗とECサイト「イオンスタイルオンライン」で、敷きパッドやマグボトルなどイオンの生活雑貨PB「ホームコーディ」26品目も値下げする。

 イオンの24年3~8月期連結決算は、人件費の増加などで最終(当期)利益が前年同期比76%減の54億円だった。ニーズの高いPB強化で来店客数の増加を狙う。【加藤結花】

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