HAVIはマクドナルドの原料物流を一手に担う(埼玉県北本市のマクドナルド17号北本中丸店)

三井物産は25日、日本マクドナルドに原料を供給する物流会社、米HAVIグループの日本法人1社と台湾法人2社の株式を100%取得すると発表した。買収額は非公表だが数百億円規模と見られ、2025年3月期中に手続きを完了する。三井物産グループの食糧事業との連携やマクドナルド以外の外食チェーンとの取引の開拓を通じて収益拡大につなげる。

日本法人のHAVIサプライチェーン・ソリューションズ・ジャパン(東京・品川)は10年にHAVIグループの100%出資子会社として設立された。日本マクドナルドとの資本関係は一切無いが、ポテトやパティなどの原料から玩具、包材までの物流を一手に担う。マクドナルドから提供される販売情報を基に需要を予測し、在庫も管理するなどサプライチェーン(供給網)全体を支える。

HAVIは柔軟な課題解決に強みを持つ。「2024年問題」でドライバーの拘束時間が制限されることに対しては、店の搬入口で店舗従業員に受け渡しする方法に切り替えるなどして、ドライバーの1日当たりの拘束時間を減らすことに成功した。

三井物産も日本マクドナルドの冷凍ポテトなどを20年以上輸入してきた実績があり、HAVIの日本法人とも取引があった。今回の買収で中間コストを減らしたり、物流経路を効率化したりする。日本マクドナルド以外の取引先の開拓も支援する。同時に買収した台湾法人とも商材を共同で調達するなどの相乗効果を模索する。

人口減で国内の食品関連の物流市場全体では大きな成長は望めず、生き残りをかけた再編が加速している。三井物産は4月、食品卸と物流子会社5社を統合する事業再編に乗り出した。成長戦略の一つに低温物流の強化を掲げていて、今回のHAVI日本法人の買収はその一環だ。

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