社内で満足度が最も高い仕事は、資金調達や予算管理などを担う財務部門――。パーソルキャリア(東京都)が運営する転職サービス「doda(デューダ)」が行った調査で、こんな結果が明らかになった。営業や商品企画などに比べて目立ちにくい部署だが、トップとなった理由は何か。
調査は、20~50代の正社員の男女1万5000人にインターネット上で実施。仕事内容や給与・待遇、労働時間、職場環境などの満足度をそれぞれ100点満点で回答した結果をまとめた。
総合満足度で首位となったのは財務部門で、70.6点を獲得した。企業の事業活動を支える「縁の下の力持ち」的なイメージだが、「給与に不満はなく、定時に帰れて人間関係も良好」「ワーク・ライフ・バランスを重視しつつ、やりたい業務に携われている」などの声が寄せられ、職場環境の評価の高さや仕事内容への充実ぶりが目立った。
2位は、基礎研究や先行開発、要素技術開発部門で70.4点。将来の製品化を視野にした研究や技術開発などを担う部署で、仕事内容や給与・待遇などの評価がバランスよく高かった。3位は医療系専門職の「学術、メディカルサイエンスリエゾン」部門(70.0点)、4位は法務や知的財産、特許部門(69.5点)だった。
また、全体の平均点は60.3点で、前回の23年調査より0.5ポイント増えた。項目別では「給与・待遇」が0.6ポイント上昇。今春闘で大幅な賃上げ実施が広がったことが押し上げた模様だ。一方、「労働時間」と「職場環境」はそれぞれ0.6~0.7ポイント低下。今春に一部職種で時間外労働の上限規制が新たに適用され、時間当たりの業務量が増えたことが影響した可能性がある。
デューダ編集長の桜井貴史さんは「満足度が高い人は、リモートワークなど自由度の高い働き方や、勤務時間、仕事での人間関係の面で満足している傾向がある」と指摘している。【嶋田夕子】
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