関西電力が30日発表した2024年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比38%減の2288億円だった。燃料費の変動に遅れて電気料金に反映する燃料費調整制度の「期ずれ差益」の縮小などが響いた。
売上高は3%増の2兆1365億円で4〜9月期として過去最高だった。総販売電力量は15%増の775億キロワット時。小売り販売は法人向けで他社に需要を奪われたが、ほかの電力会社への卸売り販売が好調だった。原子力発電の利用率が94.4%と16ポイント上昇し、コスト競争力のある価格で販売できたことが売り上げを押し上げた。
25年3月期通期の売上高は前期比10%増の4兆4500億円、純利益は41%減の2600億円と従来予想を据え置いた。10月15日に配管の海水漏れで美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)が停止したが、減益額は1カ月間の停止で55億円程度になる見通し。30日記者会見した森望社長は「当初から一定期間の停止リスクを反映した業績を想定しており、予想は変えない」と述べた。
衆院選で自民、公明の与党の議席数が過半数割れとなり、政権の枠組みが不安定になるなかで、24年度内に次期エネルギー基本計画がまとまる。森社長は「エネルギーセキュリティーを含めた安定供給や脱炭素で原子力は極めて重要。岸田文雄政権で大きな方向性が描かれたが、次期政権もぶれることなく進めてほしい」と要望した。
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