「US‐2」10号機の製造予算は25年度概算要求に盛り込まれた

新明和工業は31日、2025年3月期通期の連結売上高が前期比5%増の2700億円になる見通しだと発表した。2期連続で過去最高を更新するが、11%増の2850億円とした従来予想を150億円下方修正した。特装車の生産が当初計画を下回る見通し。空港で使う旅客搭乗橋の売り上げも期ずれする。

同日発表した4〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比7%増の1240億円、純利益が7%増の31億円だった。ごみ収集車や荷役作業車など特装車の値上げが奏功したほか、豊富な受注残を抱える旅客搭乗橋も収益を押し上げた。

同日会見した五十川龍之社長は海上自衛隊が運用する救難飛行艇「US-2」の10号機が25年度予算の概算要求に盛り込まれたことについて、「US‐2は予算枠から外れ、必要とされていないのではと思っていたが、生産継続の意思が示されて安堵している。来年の受注を目指している」と述べた。

US‐2を巡っては、新明和と防衛省が24年度予算に10号機の製造を盛り込む交渉をしていたが、23年夏までに国が調達打ち切りの方針を固めた経緯がある。その後、厳しさを増す安全保障環境や、政府内で防衛産業てこ入れの機運が高まったことから防衛省が予算枠獲得に動いた。

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