財務省の正門=東京・霞が関で、赤間清広撮影

 財務省は1日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、政府による半導体産業支援の必要性を説明し、段階に応じて手法を変える複数年度の支援案を示した。次世代半導体の量産を目指すラピダスへの支援が念頭にある。

 政府は半導体産業の国際競争力を向上させたり、民間の資金を集めやすくしたりするため、近くまとまる経済対策で複数年度の計画と支援の枠組みを示すことを検討している。

 財務省が分科会で示した案によると、製品開発や実証実験段階では収益性が見込めないため、政府の補助金などで支援する。量産体制に移行した段階から事業黒字化に至る過程で出融資へと移行し、政府機関だけでなく民間の資金も徐々に得られるようにしていく。

 支援にあたっては競争力強化や経済安全保障、エネルギー効率化といった目的が達成されているかを定期的に検証する。計画の進み具合を第三者がチェックし、達成状況を見ながら計画を見直していくことも提案した。

 参考例としては、2023年7月に閣議決定した政府の脱炭素のための推進戦略を挙げた。この時は、財源調達のため「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」を創設している。半導体産業の支援でも、何らかの財源も含めて示すことが想定されている。

 米国では既に、半導体について財政支援の期間や総額を明示し、法律で規定していることなども説明した。【加藤美穂子】

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