船外機は需要が想定を下回り、減産している(写真はヤマハ発動機の船外機)

ヤマハ発動機は6日、2024年12月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比1%増の1600億円になる見通しだと発表した。従来予想から150億円引き下げた。自転車事業の過剰在庫の圧縮による追加の費用や、船外機(船の外付けエンジン)の需要低迷などが響く。年間配当は50円とする計画を据え置いた。

売上高にあたる売上収益は8%増の2兆6000億円と想定通りの水準を確保するとした。営業利益は4%減の2350億円と、計画から250億円減りそうだ。自転車などの生産・販売を手掛けるSPV事業は欧州で在庫削減に伴う費用が膨らみ、赤字幅が拡大する見通し。

半導体製造装置などのロボティクス事業は中国向けが振るわない。船外機が中心のマリン事業も需要が想定を下回る。ブラジルやインドなどで好調な二輪車事業で補えない。

設楽元文副社長は同日の決算会見で「新中期経営計画の初年度となる来期を見据え、赤字が続く事業について今期中に処理して新たなスタートを切る」と説明した。

同日発表した24年1〜9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比8%増の1兆9768億円、純利益は5%減の1360億円だった。

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