花王が7日発表した2024年1〜9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期の2.2倍の710億円だった。国内で洗剤など日用品の値上げが浸透し、販売が伸びた。原材料高の一服も利益を押し上げた。
売上高は6%増の1兆1900億円、営業利益は99%増の1010億円だった。高付加価値製品の値上げや構造改革が寄与し、売上高営業利益率は8.5%と前年同期から4ポイント改善した。
事業別の営業利益では、洗剤などの日用品が中心のハイジーン&リビングケア事業が10倍の542億円だった。主力の衣料用洗剤「アタック」などで値上げを実施する中で数量を伸ばした。トイレ用洗剤の「トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック」も堅調だった。中国でのベビー用紙おむつの工場閉鎖といった構造改革効果やペットケア事業の譲渡益の計上も寄与した。
油脂製品など原料を扱うケミカル事業の利益は36%増の251億円だった。洗剤などに使われる三級アミンは需要回復や新規の設備の稼働により、販売数量が増えた。市況の回復や人工知能(AI)向けの需要増加で半導体用薬剤の売り上げも伸びた。
24年12月期通期の業績予想は据え置いた。純利益は2.4倍の1040億円を見込む。
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