飲みづらくしたグラス「ゆっくりビアグラス」(写真右が量産する商品)

ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)は8日、適正飲酒を促す目的であえて飲みづらくしたグラス「ゆっくりビアグラス」を通年で販売すると発表した。7月に1度10個限定で抽選販売していた。購入希望者が多かったこともあり、ガラスの素材や製法を変えて量産体制を整えた。価格は1万2980円で、同日から公式サイトで購入できる。

350ミリリットル缶1本分のビールがちょうど入るサイズとした。発売当初のグラスに比べて薄くて軽いものの、形や飲みづらさは同じにした。中央部に内径約6ミリメートルのくびれをつくり、グラスを傾けると下部から上部にビールが少しずつ出てくる。通常のグラスと比べて飲み終わるまでに約3倍の時間がかかる。

グラスのほか、主力ビール「よなよなエール」1缶と専用クロスもつく。発売当初(9800円)と比べ値上げした。「継続的に販売し『お酒をゆっくり飲む』という楽しみ方を提案できる価格設定にした」(同社)という。

自社商品を提供する飲食店「YONA YONA BEER WORKS」の2店舗では、よなよなエールをゆっくりビアグラスで飲めるプランも用意する。一般の飲食店を対象にゆっくりビアグラスの導入店も増やす。まずは50店舗限定で、各店舗2個ずつ無料で提供する。

厚生労働省は2月、健康を維持するための適正な飲酒に関する初めての指針を公表した。ヤッホーがゆっくりビアグラスを認知している消費者を対象に実施した調査では約77%が何かしらの認識や行動に変化があったと回答した。

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