北海道電力の泊原発(同社提供)

北海道電力は8日、原子力規制委員会の審査会合で泊原子力発電所(北海道泊村)3号機再稼働に向けた津波対策について説明した。規制委から北電の方針は「おおむね妥当に検討されている」として大筋了承を得た。これで火山に続き津波の審査もほぼ決着した。

規制委は8月の審査会合で、北電がまとめた津波の想定値である「基準津波」と、道や国土交通省が定めた津波の高さとを比較するよう求めていた。北電が試算した津波の高さが、道などが定めた数値や過去の津波より高いことを確認した。

津波で発電所の取水口に砂が入り込み、海水の取水に影響が出るかも審査。規制委は問題はないとした。

一方、北電の過去の説明資料に誤りがあったことも判明した。基準津波の策定にあたり、防波堤が破壊されなかった場合に想定される津波のグラフのかわりに、誤って破壊された場合のグラフを掲載していた。規制委は北電に対し原因分析や再発防止策などを説明するよう求めた。

北電は、12月下旬までに設置変更許可を得るための必要な説明を終える方針だ。基準地震動の一部見直しやプラント関連の審査は残る。

今後、設置変更許可を得た場合も、再稼働には知事の同意が実質必要となる。北電は核燃料などを積んだ燃料等輸送船が入る港を原発の敷地外に整備する方針で、核燃料は陸上輸送となる。北海道の鈴木直道知事は8日の記者会見で「北電には住民への説明を求めている。要望にしっかり対応するかが重要なポイント」と述べた。

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