▼販売奨励金 自動車メーカーが販売店に支払う販売促進費の一種。車業界では「インセンティブ」と呼ばれる。販売店は車の値引きや顧客にローン金利を優遇する際の原資とする。追加装備やサービスの割引に使う場合もある。複数の調査会社が集計し、各社の間で金額に多少の差異があるものの、増減の方向は一致する。
奨励金は新車の需給で変動する。新型コロナウイルス禍で新車が供給不足となった2021年後半〜23年前半は歴史的な低水準となった。供給が回復した23年半ばからは競争が激化し、急ピッチで上昇した。米コックス・オートモーティブによると、24年9月の奨励金の業界平均は1台あたりおよそ3500ドル(約50万円)と前年同月比で5割増えた。
日本車メーカーは総じて米国が主戦場のため、24年7〜9月期決算では現地のインセンティブの増加が各社の業績を圧迫した。商品力で各社の水準も変わる。24年9月は人気のハイブリッド車(HV)を多く販売するトヨタ自動車が約1450ドルと業界平均を大きく下回った。半面、現地でHVがなく新車種に乏しい日産自動車は4500ドル強まで膨らんだ。
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