日立製作所は12日、サプライチェーン(供給網)を管理する新システムの販売を始めたと発表した。1次調達先だけでなく、2次、3次と上流企業の生産拠点などの情報を登録することで、地震や洪水など災害発生時の調達リスクも可視化できる。顧客企業の部品調達の安定に貢献し、災害対応力を高められるとみている。
サプライヤー管理のクラウドシステム「TWX-21 サプライチェーンプラットフォーム」の提供を始めた。グローバルで8万5000社が利用する既存サービス「TWX-21」の機能を拡張した。災害対応のほか、サプライヤーの信用情報、環境対応の取り組みなどを一元管理できる。
複数階層のサプライチェーンを図示して、2次調達先、3次調達先といった直接取引のない企業の情報も集約できる。特定地域で災害やインフラ寸断、大規模な事故が起こると、メディア記事やSNS(交流サイト)情報などから供給寸断リスクを自動検知して知らせる機能を持つ。
サプライチェーン構造の可視化や情報収集の仕組みはソフトウエアのResilire(レジリア、東京・港)と連携して開発した。導入費用は供給網の規模に応じて変わる従量課金制とする。
災害リスクのほか、民間の信用調査会社と連携して上流のサプライヤーの信用リスクも参照できる。さらに温暖化ガス(GHG)排出量削減などのESG(環境・社会・企業統治)の取り組みを数値化した外部の評価機関のデータベースとも照合することで、サプライチェーン全体の堅牢(けんろう)性や健全性を高められるとしている。
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