▼株式の非公開化 証券取引所で自由に株式を売買できる状態になっている公開企業が上場を取りやめること。企業は上場することで株式市場から資金を調達したり、知名度を上げたりすることができる。一方で透明性の高い開示が求められるほか、様々な株主から経営への圧力を受けやすくなる。会社の支配権を経営陣や一部の株主に集め、意思決定を早めるために非公開化を選ぶ企業が多い。

非公開化の手法は様々だ。経営陣が参加する形で自社を買収するMBO、親会社による上場子会社の買収などがある。MBOでは買収資金を金融機関や投資ファンドから調達することが多い。すかいらーくホールディングスやワールドなど非公開化後に構造改革を進めて企業価値を高め、再上場するケースもある。

東京証券取引所で2024年に株式を非公開化する企業は足元で87社と前年比4割増えた。大正製薬ホールディングスやスノーピーク、ローソンなどが上場廃止した。東証が企業に資本効率の改善を要請したことや買収される側の同意を得ない買収が相次いだことなどで、上場を負担に感じる企業が増えている。今後も株式を非公開化する動きは続く見通しだ。

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