東レは14日、尿素などの除去率を高めた水処理膜を開発したと発表した。半導体の製造工程で使われる純度の高い水を作り出す用途を想定する。11月から国内エンジニアリング会社向けに展開を始め、2025年度以降は海外にも広げる。
半導体の製造工程では不純物が限りなくゼロに近い「超純水」が大量に必要となる。従来は水道水を処理して作り出していた。半導体製造における水の使用量は増える見込みで、超純水の原料として下水を再利用するニーズが高まっているという。
今回開発した逆浸透膜(RO膜)は下水を再利用した場合に水道水の場合より濃度が高くなる尿素の除去性能を従来品比で2倍に高めた。尿素が残存していると、半導体の露光工程で回路パターンに不備が出る場合がある。尿素はサイズが小さく除去が難しかったが、水処理膜の穴の口径や穴の分布を工夫することで、除去率を従来品の8割弱程度から9割近くまで上げた。
現在、顧客企業と性能評価を進めている。25年度以降に実際の工場などに実装される見込み。膜製品の中でも高付加価値品と位置づける。高い除去率があることから、他用途展開もめざす。
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