宮城県内の小中学校で給食の牛乳を飲んだ児童生徒ら600人超が体調不良を訴えた問題で、この牛乳から体調不良を起こす原因菌は、製造会社側の調査では見つからなかったことがわかった。工場がある仙台市の保健所がさらに調べている。
- 給食の牛乳で体調不良600人超 宮城県の小中学校生、腹痛など訴え
牛乳を製造したのは東北森永乳業(仙台市)で、調査にあたった親会社の森永乳業(東京都港区)が30日、朝日新聞の取材に明らかにした。
問題となったのは25日の給食の牛乳。宮城県内の12市町の小中学校で提供され、複数の学校から「いつもと違う味がする」と指摘があった。朝日新聞の取材では仙台、岩沼、名取、多賀城の各市などの600人超が腹痛や吐き気などを訴えた。
森永乳業が学校から引き取った牛乳や保存サンプルを調べたところ、こうした症状を引き起こす大腸菌群や黄色ブドウ球菌とも「陰性」で、製造工程や製造設備にも普段と異なる点がなかった。学校までの輸送状況も調べたが、温度管理も普段と同じだったという。
同社は取材に対し「自社でできる検査は終了した。ご迷惑とご心配をおかけし、申し訳ない」と改めてコメントした。
一方、仙台市保健所は25日以降立ち入り調査を実施している。児童生徒に検便を求めるなどして、原因を調べている。(中島嘉克、吉村美耶)
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