特急ラピートの乗車率はコロナ禍直前を上回った

南海電気鉄道が30日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比64%増の239億円だった。新型コロナウイルス禍前の20年3月期を上回って過去最高益となった。輸送人員回復や運賃改定、不動産投資信託(REIT)への物件売却が寄与した。

売上高は前の期比9%増の2415億円だった。23年5月に新型コロナウイルスが5類に移行したことによる規制緩和で、輸送人員は7%増の2億1733万人。10月から運賃改定で平均10%の値上げとなったことも追い風に、旅客収入は20%増の555億円だった。

インバウンド(訪日外国人)がコロナ禍前水準を上回る勢いで、大塚貴裕取締役は「中国客が回復していない現状でも過去最高水準で、欧米など客層の幅が広がっている」と語った。難波―関西空港間を結ぶ特急「ラピート」の乗車率は年度平均で66.4%と20年3月期の55%台を上回ったほか、高野山に向かう高野線の特急「こうや」でも乗車率は34%と前の期より9ポイント回復した。

25年3月期の連結業績は、売上高が前期比7%増の2591億円と過去最高となる一方、前期に計上したREITへの売却益が剝落することから、純利益は25%減の179億円を見込む。訪日客の増加で輸送人員は前期比3%増の2億2324万人、旅客収入は12%増の619億円と予想する。

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