タクシー不足を解消するため、一般ドライバーが自家用車に有料で客を乗せる「ライドシェア」が5月以降、福岡市と周辺14市町の「福岡交通圏」でも始まる見通しであることが判明した。毎日新聞の取材では、複数のタクシー会社が参入の意向を示した。
ライドシェアは利用者がスマートフォンの専用アプリで配車を依頼すると、近くの一般ドライバーが指定場所に向かい、客を運ぶサービス。国内では自家用車に客を乗せて有料で運ぶ行為(白タク)は道路運送法で原則禁止されていた。当初はタクシー業界などの反発があったが、タクシー不足対策として国土交通省が同法の運用を見直し、タクシー会社が運行主体となる「日本版」ライドシェアの解禁を決定。安全面に配慮し、配車や車両の管理、運送責任はタクシー会社が担う。
4月に東京などの4地域で解禁し、5月以降は福岡市などを中心とする8地域を追加した。九州で唯一となる県内では、福岡市や古賀市、糸島市、筑紫野市などの「福岡交通圏」が対象。同省によると、運行時間帯や上限台数は曜日によって異なるものの、「福岡交通圏」では毎日の運行を認める。
現在、複数のタクシー会社が参入の準備を進めており、福岡市に本社を置く会社の担当者は「仮にライドシェアを導入しても数が限られており、すぐにタクシーの供給不足は解消されないだろう。しかし、コロナ禍で多くの運転手が辞めたので、ライドシェアの導入は運転手を確保する一つの手段になると思う」と話した。【竹林静】
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