デザイン経営の進捗について説明するパナソニックHDの臼井執行役員

パナソニックホールディングス(HD)は18日、2021年秋に始めたデザイン経営の進捗や成果を説明した。臼井重雄執行役員はデザイン経営の実践プロジェクトに携わる部門や人材が2年半で約5倍に増えたとし、「まだ通過点だが想定以上に浸透した。現時点の点数をつけるなら70点くらい」と話した。

パナソニックHDはデザイナーの視点を経営計画に取り入れている。具体的な未来を予測した上で、未来から逆算して商品を作り込む。従来の延長線にとどまらない商品の開発や経営戦略の立案につなげる狙いがある。

臼井氏は「デザイン経営は家電開発などに向いた考え方だと思っていたが、むしろBtoB(企業間取引)の分野で発想が生きている。顧客企業のあるべき未来をともに考えていくことで、サプライヤーの立場にとどまらない提案ができている」と強調した。

22年6月にパナHD全体で2部門30人だったデザイン経営の導入範囲は24年11月に10部門172人と約5倍になった。デザイン経営の研修を82人が受講し、各事業部門に広げてきた。臼井氏は「育成プログラムを継続して、デザイン経営をけん引する人材を増やしていきたい」と述べた。

具体的な成果にはAI(人工知能)カメラを取り付けた冷蔵庫を挙げた。フードロスを削減する未来から逆算したという。手のひらサイズのシェーバーは従来の商品の形にとらわれず、「こんな商品があったら便利だ」という発想から生まれたと説明した。

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