三井E&Sは企業に納入するアンモニア燃料エンジンについて、2025年上期に完成させる目標だと明らかにした。これまで完成目標の年限は明らかにしていなかった。機器の動作確認や安全性の確認を経て近くアンモニア燃焼試験を開始する。試験は25年春ごろまでを想定する。船舶の脱炭素に向けて完成を急ぐ。
三井E&Sは独MANエナジー・ソリューションズが開発したアンモニア燃料エンジンの製造を手掛けている。アンモニアと重油の切り替えが可能な二元燃料エンジンだ。完成後は商船の設計・販売を担う日本シップヤード(東京・千代田)が手掛けるばら積み船に搭載する。18日にエンジンを報道陣に公開した。
三井E&Sは1926年にデンマークのバーマイスター・アンド・ウェイン社(現・独MANエナジー・ソリューションズ)とライセンス契約を結びエンジンを製造してきた。ディーゼルエンジンについては累計1億2000万馬力、台数にすると7525台の生産を達成した。18日に岡山県玉野市にある工場で記念の式典を開いた。
次世代の船舶燃料として期待されているのが、燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアだ。国際海事機関(IMO)は国際海運の温暖化ガスの排出を50年ごろまでに実質ゼロにする目標を掲げており、三井E&Sは主力製品を二元燃料エンジンにシフトする方針だ。
舶用推進システム事業部で企画管理部長を務める後藤貴幸氏は「必要とされるエンジン製品の転換を責任をもってやっていく」と話した。
三井E&Sはエンジンにアンモニア燃料を供給するための装置の開発も手掛けている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション(GI)基金」の事業の一環として取り組む。
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