農畜産業振興機構(東京・港)がまとめた9月末時点の食肉の推定在庫は57万2778トンと前年同月比で0.8%増えた。増加は12カ月ぶり。牛肉と豚肉の減少トレンドがほぼ一服し、安価で引き合いが強い鶏肉は在庫を積む動きが続いた。
牛肉は0.3%減の15万5848トン。前年をわずかに下回ったが、減少率は縮小が続いている。価格が上がりすぎてスーパー店頭などの売れ行きが鈍ったため、一部で安値の投げ売りが生じるなど、在庫がある程度整理されたようだ。
10月には投げ売りの影響などで、主要品目である輸入牛肉の相場が2年ぶりに下落した。現在、安値販売の動きはみられず、大手の食肉商社は「現地高も続いているため、相場は少し反発する可能性がある」と説明する。
豚肉の在庫は1%減の22万2777トン。12カ月連続で減少したが、牛肉と同様に減少率が縮小した。
鶏肉は年末の需要期に向けて、在庫を積極的に積む動きがあった。9月末時点では16万9672トンで、4.4%増えた。増加は10カ月連続。牛肉や豚肉は生産国のコスト高などで高値が続き、割安な鶏肉は店頭だけでなく外食や中食からの引き合いが強い。供給する卸会社は在庫の確保を急いでいる。
農畜産業振興機構は11月末の在庫として牛肉は前年比3.2%増、豚肉は10%増、鶏肉は8.2%増を見込んでいる。
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