水素のサプライチェーン構築に海運会社と電力会社の垣根を越えて取り組む

商船三井と関西電力は19日、液化水素運搬船の実用化に向け共同で検討を始めると発表した。海外から輸入する液化水素を海上輸送する際の課題解決に連携して取り組む。次世代のエネルギー源として注目される水素のサプライチェーン(供給網)構築に海運会社と電力会社の垣根を越えて取り組む。

19日付で覚書を結んだ。水素は燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さないクリーンエネルギー源として期待が高い。日本で水素の需要が高まれば海外から水素を輸入する必要がある。

両社は液化した海外製の水素を日本の基地で受け入れるまでの輸送に使う最適な船舶の選定や運航法のほか、安全性の確立に向けた調査や検討をする。液化水素の海上輸送に関連した国際的な法令や規制も分析する。

常温で気体の水素を効率よく運ぶには液化する必要がある。ただ、水素を液体にするにはセ氏マイナス253度という極低温で冷やす必要がある。天然ガスをセ氏マイナス162度に冷やす液化天然ガス(LNG)運搬船より技術的なハードルは高い。日本では川崎重工業が2019年に世界初の水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を進水させている。

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