協和キリンは21日、医薬品開発の米クラ・オンコロジーと戦略的提携を結んだと発表した。急性骨髄性白血病の治療薬について、開発や販売で連携する。協和キリンはクラ社に契約一時金を含む最大1800億円を支払う。治療薬候補を増やして、収益の柱に育てる。
クラ社は低分子のがん治療薬候補「ジフトメニブ」を手掛けている。2025年には米食品医薬品局(FDA)に承認申請する予定だ。FDAは重篤な疾患の治療を目的に医薬品の開発と審査を促す「ブレークスルーセラピー」に指定している。
25年には最終段階の臨床試験(治験)を始める予定だ。治験の費用は28年末までクラ社が負担し、29年以降は協和キリンと半分ずつ分担する。
承認を取得後の販売は、米国ではクラ社、それ以外の地域は協和キリンが担う。協和キリンは売り上げに応じ、クラ社に一定の割合を支払う。
クラ社は急性骨髄性白血病のほかに固形がんを対象とした治療薬の開発も進めている。今回の契約には固形がんについてのオプション権も含まれている。有望な治験データが得られた場合には協和キリンが権利を行使し、開発や販売に向けて協働する可能性がある。
協和キリンは「24年12月期の連結業績予想には織り込み済み」としている。25年以降は市場への投入準備を見込んだ費用などが発生する見通しだ。
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