JR東日本は22日、新幹線の新型保守用車を報道陣に公開した。独自のモニタリング技術でレールなどの状態を把握し、目視による点検作業を約50%減らす。業務の生産性を上げつつ、検査の頻度を増やして安全性を高める。
枕木など線路設備を調べる専用車「スマートレッド」を12月に導入する。2023年に取り入れたレール保守用車「スマートグリーン」と連結し走らせる。25年度末までに両車で計5台を投入し、全線を定期的に検査する。投資額は50億円を見込む。
レールに超音波のセンサーを当て、その反発具合をもとに内部の傷や表面の細かい凹凸、摩耗などの状態を調べる。保守用車による点検や検査を通じて得られたビッグデータを分析することで、劣化予測の精度も高める。
JR東はレールのゆがみを調べる検測車「イーストアイ」を02年から運用している。新型車は細かい傷や摩耗なども発見できるため、運行の安全性が高まる。車両導入で目視の点検を半減させ、検査頻度は最大12倍に増やす。
将来は同業他社にも展開できるようにする。JR東の担当者は「目視による技術者の作業負担が減り、データ分析など高度な仕事に注力できるようになる」と話す。
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