AIによって船の制御や障害物の検知を自動化して船員の操船を支援する(22日、香川県の小豆島付近)

JTBなどが22日、香川県の小豆島において航路の一部を自動運転が担うボートの実証実験を始めた。人工知能(AI)によって障害物の検知や制御を自動化して船員の操船を支援する。島では観光バスによる渋滞やタクシー・バスの運転手不足が課題となっている。観光客の新たな周遊手段としてボートも加え、課題解消につなげられるように実用化を目指す。

出発の時や着岸する際には船員が操船する必要があり、海上に出るとAIによる自動運転に切り替えられる。液晶のタッチパネルで行き先を指示すると、目的地近くまでAIによる自動操船になる。

11月末まで町内の道の駅「小豆島ふるさと村」から観光名所の「エンジェルロード」間など3つの短距離航路を実証する。22日は小豆島ふるさと村近くの桟橋を出発し、島周辺の海上を約20分間航行した。

実証にはJTBのほか、自治体の香川県小豆島町や一般社団法人である小豆島・瀬戸内エリアマネジメント協会(小豆島町)、船舶自動航行の技術を開発するスタートアップのエイトノット(堺市)などが共同で参画する。

別航路の実証実験も計画しており、2028年の本格運用を目指して安全性などを検証していく。

小豆島周辺では船員不足の影響で、25年4月に開幕する瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)で香川県の島々を結ぶ臨時航路「直島ライン」の運航を断念するなど、陸上のタクシー・バス、海上の船を含めた観光インフラの整備が課題となっている。

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