4月30日の米ニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時、1ドル=157円台後半まで下落した。米国の物価高(インフレ)の強さにつながる経済指標の発表を受け、米長期金利が上昇。ドルを買い円を売る動きが広がった。円相場は160円台まで下落した後に154円台まで戻っていたが、再び円安が進んでいる。
米東部時間30日午後5時(日本時間5月1日午前6時)時点では、前日の同時刻より1円46銭円安ドル高の1ドル=157円76~86銭で取引された。
日本時間の4月29日に34年ぶりに160円台まで下落した円相場は、その後に急騰して154円台半ばまで円高に振れた。政府と日本銀行が急速な円安の進行を止めるため、為替介入に踏み切った可能性がある。
だが、30日朝に米労働省が発表した賃金や福利厚生など従業員を雇う際のコストを示す指数が、予想を上回って上昇。インフレ抑制に時間がかかるとの見方から、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退し、日米の金利差を意識した円安ドル高が進んだ。(ニューヨーク=真海喬生)
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