日本政策金融公庫は、後継者を探している山形県内の4事業者が実名を明かして登壇するマッチングイベントを開いた。事業承継による創業や事業拡大、経営多角化をめざしている約100人がオンラインで参加した。第三者承継は企業名を伏せて検討に入ることが多いが、最初から詳細を明かすことで迅速な承継につなげる。
登壇したのは和菓子製造販売の「おかちゃのもぢや」(南陽市)、海苔(のり)・乾物卸の「杉山海苔店」(山形市)、宿泊業の「ペンション エプロンステージ」(上山市)と「眺望の宿 観音湯」(酒田市)。経営者は映像を交え、事業への思いや経営環境、譲渡を希望する理由などを説明した。経営支援機関の担当者も同席した。
オンラインでの質疑応答では、事業が軌道に乗るまでに必要な期間や譲渡後の前経営者による伴走態勢、屋号や不動産の扱いなどについて質問が出た。4事業者は丁寧に回答した。
今後は具体的な譲り受け希望者が現れれば引き合わせ、具体的な交渉に進む。日本公庫山形支店国民生活事業の林弘二事業統轄は「実名を出して後継者探しをする取り組みを浸透させ、スムーズなマッチングにつなげたい」と話す。この「オープンネーム方式」によるマッチングイベントは2022年から開いており、山形県では初開催。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。