金融庁は、上場企業が株式の保有目的を変更する際に義務付けている有価証券報告書の開示ルールを見直す。保有目的を純投資に変更した株式の銘柄や金額について、5事業年度分を開示させる。従来は単年度分にとどまっていた。

パブリックコメントを経て、内閣府令を改定し2025年2月にも施行する。本決算が3月期の企業は、25年3月期の有価証券報告書から開示義務が生じる見通し。

株式市場では上場企業に対し、取引先との関係維持などを理由に保有する政策保有株の売却圧力が強まっている。一部の企業は株式保有目的を政策保有から、値上がり益や配当収入を目的で持つ純投資に変更する動きが出ている。形式的に保有目的を純投資に変更する企業が増えるとの懸念が強まっていた。

純投資に切り替えた株式については、変更理由や売却方針も開示を求める。具体的には、どのような基準で保有しているのかなどの開示が必要になる見込み。

内閣府令の改定にあわせガイドラインも改定する。保有企業が株式を売却する時に発行体企業の応諾が必要なケースなど、事実上の制限がかかっている株式については、純投資として認めないとする記述を盛り込む。

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