関西経済同友会は28日、大企業の担当者らが食事とコーヒーを片手にスタートアップ支援や協業について語り合う「ベンチャーフレンドリーランチ」を開催した。阪急阪神不動産の諸冨隆一副会長やさくらインターネットの田中邦裕社長らが出席した。対面での開催は2019年以来5年ぶり。大企業とスタートアップとの距離の近さは関西の特徴だ。
「スタートアップの売り上げ増をなんとか実現したい」「大企業が変わらないと、スタートアップも変わらない」。ランチ会には伊藤忠商事やミズノ、三井住友銀行など関西にゆかりのある大企業の新規事業担当者ら数十人が出席し、食事をとりながらスタートアップ支援について語り合っていた。
阪急阪神不動産の諸冨副会長は話に耳を傾けながらメモを取り、閉会時には参加者を前に「大企業でもベンチャーでも、まずは相手の話を聞いて、自分が最大限貢献できることは何かをスピーディーに伝えることがコミュニティーのためになる」と語った。
ランチ会はさくらインターネットが大阪駅北側の再開発地「グラングリーン大阪」に開業したオープンスペースで実施した。
関西経済同友会は18年、スタートアップが大企業に相談した際の「門前払い」を避けるため「関西ベンチャーフレンドリー宣言」を公開した。22日時点で112社が賛同しているという。ロイヤルホテルの蔭山秀一会長なども出席する起業家と大企業経営者との懇親会「関西ブリッジフォーラム(KBF)」も企画している。
関西のスタートアップは東京と比較して資金調達額や企業価値が小さい。ただ大企業との距離が近く、創業初期の段階から大きな受注案件につなげやすいのが特徴だ。関西の強みを生かしたエコシステム(生態系)をつくり、企業価値の大きなスタートアップが次々と生まれるような仕組み作りが欠かせない。
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