ムーディーズ・ジャパンは28日、日産自動車の発行体格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。格付け自体は投資適格級の下限にあたる「Baa3」(トリプルBマイナスに相当)で据え置いた。自動車事業でフリーキャッシュフロー(純現金収支、FCF)と採算が悪化している点を踏まえた。
日産は主力市場の米国や中国で販売が振るわず、7日に9000人の人員削減と世界の生産能力の2割(約100万台)の引き下げを発表した。2025年3月期の純利益も「未定」とした。アナリスト予想の平均を示すQUICKコンセンサスでは26日時点で17億円(前期実績は4266億円)となっている。
ムーディーズは日産が「多額の販売奨励金、高い在庫水準、古くなった製品ラインアップなどの問題に直面している」と指摘した。経営陣が年4000億円のコスト削減を目指す再建計画についても「実行リスクがある」とコメントした。
他の格付け会社は日産の格付けについて、米S&Pグローバルが投資適格を下回る「ダブルBプラス」、格付投資情報センター(R&I)が投資適格の「シングルA」、フィッチ・レーティングスが「トリプルBマイナス」としている。
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