三菱ケミカルグループは半導体の製造工程で使う合成石英粉の生産能力を3割引き上げる。総投資額は111億円で、そのうち3分の1にあたる最大37億円は経済産業省による半導体の国内生産強化のための助成金でまかなう。半導体製造で必要となる素材の国内での生産・供給体制を強化する。
増強するのは合成石英粉で、北九州市の拠点の生産能力を35%引き上げる。増強分は2028年9月から供給する。合成石英粉は半導体製造工程のなかでもシリコンウエハーのもととなるインゴット(塊)の製造工程で使われる。インゴットへの不純物の混入を防ぐ役割を果たす。
経産省は29日に半導体や電子部品の国内生産強化に向け最大で1017億円の補助を実施すると発表し、そのうちの1事業に選ばれた。同社は他にも回路を形成する際に使われるフォトレジスト(感光材)向け樹脂や、半導体製造装置部品の洗浄サービスでも工場の新設を決めている。半導体関連材料を注力領域とし、今後の需要増を見込み体制を強化している。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。