系列4社の経営統合後の日本テレビホールディングスの組織体制

 日本テレビホールディングス(HD)は29日、同社系列の札幌テレビ放送(札幌市)、中京テレビ放送(名古屋市)、読売テレビ放送(大阪市)、福岡放送(福岡市)の4社が経営統合し、認定放送持ち株会社「読売中京FSホールディングス」(FYCS)を来年4月1日付で設立すると発表した。各地域の基幹局である4社は、FYCSの完全子会社として経営基盤を安定させるとしている。

 FYCSは、筆頭株主である日テレHDの持ち分法適用会社となる。今後、総務相の認定を得て、持ち株会社を設立する。会長には丸山公夫・中京テレビ会長、社長には石沢顕・日テレHD社長が就任する予定。これに伴い、来年1月1日付で日テレHDと日テレの社長には福田博之・日テレHD取締役執行役員が就任する。

 認定放送持ち株会社は、放送法の改正で2008年4月に導入された制度。総務相の認定を受けることで、放送局を子会社などとして持ち株会社の傘下に置き、グループ経営できる。テレビ業界は、ネット視聴の拡大などによる「テレビ離れ」や、人口減に伴う地方経済の疲弊で、特に地方局の経営環境の厳しさが増しており、持ち株会社を使った地方局のグループ化などが進むとみられていた。

日本テレビ=曽根田和久撮影

 今回の統合は民放キー局の持ち株会社に地方局を直接統合する形ではなく、キー局の持ち株会社の傘下に複数の基幹局の持ち株会社を入れる形を取った。総務省によると、認定制度を活用した地上波テレビの放送事業者のみでの経営統合は初めて。日テレHDによると、今回対象となった4社は日テレ系の4ブロック(北海道東北、中部、近畿中四国、九州)それぞれの幹事社を務めている。体力のある4社の経営統合で経営強化し、エリアなどを越えてより幅広い事業展開を可能にする狙いもある。

 日テレHDは今回の経営統合について「新たな協力体制を構築して経営基盤を安定させ、将来にわたり良質な情報や豊かな娯楽を安定的に視聴者に提供し、地域社会に貢献するという社会的責務を果たしていく決断をした」と説明している。【井上知大、諸隈美紗稀】

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