国土交通省はJR貨物の協力を得て、40フィート海上コンテナを鉄道で輸送する実証事業を始めた。トラックの運転手不足やCO2排出削減を見据え、輸出入貨物の主流である40フィートコンテナの鉄道輸送を推進する。大阪港と神戸港で構成する阪神港の集荷拡大につなげたい考えだ。

4日、大阪貨物ターミナル駅(大阪府摂津市)で、金沢貨物ターミナル駅(金沢市)からの貨物列車のコンテナをトレーラーに積み替える様子が報道公開された。貨物列車は12フィートコンテナを1両あたり 5個載せて運ぶが、実証では1両だけ40フィートコンテナを1個載せる。石川県内からの建設機械部品の輸送ですでに利用実績がある。

貨物列車からトレーラーに40フィートコンテナを積み替える(大阪府摂津市の大阪貨物ターミナル駅)

大阪貨物ターミナル駅から大阪港までは約40分、神戸港までは約70分で到着するという。鉄道輸送で12フィートコンテナを使う場合は港で40フィートコンテナに積み替える必要があるが、「一気通貫でコンテナのまま鉄道、トラック、船と積み替えることができる」(同省近畿地方整備局)。実証は2025年2月までを予定する。

阪神港は国際基幹航路の拡大を目指す「国際コンテナ戦略港湾」になっている。寄港回数は10年は週20回を超えていたが、23年は週11回にとどまる。船の大型化や海上物流の需給逼迫によって寄港地が絞り込まれた影響が大きい。航路の維持・拡大には鉄道を含めた多様な輸送モードの活用が課題となっている。

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