講演で中村委員はまず国内の経済情勢について「一部に弱めの動きもみられるが緩やかに回復している」という認識を示しました。

一方、日銀が今後の利上げに向けて重視している賃上げの動向については「中小企業を中心に投資の回復が遅れているため持続性に自信を持てていない」と述べたほか、節約志向の強まりや、中国をはじめとする海外経済の下振れに伴って競争が激しくなる可能性も指摘しました。

そのうえで、中村委員は今後の金融政策について「多くのデータを確認し、経済の回復状況に応じて金融緩和度合いを慎重に調節していくことが重要な局面だ」と述べました。

市場関係者の間では、日銀が今月か来月の会合で追加の利上げを決めるのではないかという観測が出ています。

一方、中村委員はことし7月に日銀が追加の利上げを決めた際に反対票を投じていて、今回の講演でも慎重な姿勢を示した形です。

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