流通や外食などの労働組合が加盟するUAゼンセンは5日、2025年の春季労使交渉でパート時給の賃上げ目標を「7%基準」とする執行部案を発表した。正社員では24年と同様の「6%基準」を賃上げ目標とする。連合が掲げる5%以上を上回る。企業規模や雇用形態による賃金格差の是正を強く求め、賃金の底上げを目指す。
11月に提示した素案に基づき、5日の中央執行委員会で決める。25年1月の中央委員会で正式決定し、加盟労組の交渉の基準となる。パートの要求方針は12年のUAゼンセン発足後で最高水準となる。
雇用形態別ではパートは基本給を底上げするベースアップ(ベア)分で5%(時給60円)、制度昇給分を含めて7%(同80円)を基準に引き上げる。24年より1ポイント上積みする。
正社員はベア分で4%、定期昇給(定昇)を含めて6%基準を目標とする。中小企業に多い、定昇など賃金体系が整っていない企業の組合向けに月例賃金ベースで「1万7000円」とする実額での賃上げ目標も掲げた。11月の素案では1万6500円としていたが「各部門の議論状況や社会情勢を踏まえてさらなる格差是正が必要」(永島智子会長)と判断し、500円上乗せした。
24年の妥結状況(6月末集計)は正社員で4.95%、パートは5.75%だった。永島会長は「実質賃金の上昇を定着させ日本経済を持続的な成長軌道に乗せる」と述べた。
UAゼンセンは約2200組合が加盟し、約190万人の組合員を抱える国内最大の産業別労働組合だ。パートなど短時間労働の組合員が約6割を占める。
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